現在完了というと英語にも現在完了がありますので耳馴染みがあるのではないでしょうか。スペイン語の現在完了は英語と使い方も構造も同じです。したがって英語を足掛かりにすればスペイン語の現在完了も理解しやすいはずです。
このページはSpanish411.netという英語圏でのスペイン語学習サイトを参考にし、解説しています。
参照: Spanish411.net
現在完了の構造
完了形は主に「ある時点Aから見て過去に完了し、その時点Aと関係している出来事・行動」を示します。
例えば、現在完了ならば「現在からみて過去に完了し、現在にも関係している出来事・行動」ということになります。こう説明するとややこしくなりますが、英語の現在完了と同じ使い方だと捉えればわかりやすいと思います。また構造も英語の現在完了と一緒で、
- EN(英語): have/has + 過去分詞
- ESP(スペイン語): haber(=to have)の活用 + 過去分詞
というように英語の”have”がスペイン語で同じ意味を持つ”haber”になるだけです。過去分詞の作り方は「過去分詞」のページをご参照下さい。
“haber”の活用 | |
yo | he |
tú | has |
él/ella/Ud. | ha |
nosotros | hemos |
vosotros | habéis |
ellos/ellas/Uds. | han |
+過去分詞
タイムライン
例文)
EN: I have run.(走っていた。→「走る」という行動は完了し、今は走っていない)
これをタイムラインで図示すると下図のようになります。
スペイン語にすると次のようになります。
ESP: He corrido. (←Yo he corrido.の”Yo”が省略)
(動詞の活用—he: “haber(=to have)” の1人称・単数・現在, corrido: “correr(=to run)”の過去分詞)
現在完了の用法
現在完了は前述の
- A) 完了・結果「(ちょうど)~したところだ」「(もう)~した」
という「現在からみて過去に完了し、現在にも関係している出来事・行動」の他に
- B) 経験「~したことがある」
- C) 継続「(ずっと)~している/してきた」
に分けられます。と日本の教科書・参考書には書かれていますが、英語圏のスペイン語学習教材でこの分類に言及しているものをあまり見ません。英語とスペイン語の現在完了は使い方が同じので分類して分析する必要はないのでしょう。頭の中で日本語に訳す必要がなければあまり気にしなくてよいと思いますが少し紹介します。
A)完了「(ちょうど)~したところだ」「(もう)~した」
これは「すでに完了しているが、今もその行動・出来事が関係している」時に使います。
EN: We have already arrived.(私たちはもう着いた。)
←もう着いてそこに今もいる。すなわち「着いた」という出来事が今の状態に関係しています。
ESP: Ya hemos llegado.
(動詞の活用—hemos: “haber(=to have)” の1人称・複数・現在, llegado: “llegar(=to arrive)”の過去分詞)
EN; We have read all the books in the library.(私たちは図書館の全ての本を読んだ。)
ESP: Hemos leído todos los libros de la biblioteca.
(動詞の活用—hemos: “haber(=to have)” の1人称・複数・現在, “leído (=to read)”の過去分詞)
B) 経験「〜したことがある」
EN: Have you eaten tortilla? (トルティージャ(スペイン風オムレツ)を食べたことがありますか)
ESP: ¿Habéis comido tortilla? (上の”you”が複数の場合)(動詞の活用—habéis: “haber(=to have)” の2人称・複数・現在, comido;: “comer(=to eat)”の過去分詞)
EN: Have you heard the new Lady Gaga song?(レディ・ガガの新曲を聴いた?)
ESP: ¿Has oído la nueva canción de Lady Gaga?
(動詞の活用—has: “haber(=to have)” の2人称(tú)・単数・現在, oído “oír(=to hear/listen to)”の過去分詞)
ここでは経験に入れていますが、「聴いた?」が「もう聴いた?」という完了か「聴いたことある?」という経験かを論じるのはあまり意味がありません。あくまで「そういう分類のしかたがある」というくらいに捉えておいてよいと思います。
C) 継続「〜している」
過去から現在まで続く行為や状態を表しますが、その行為や状態が現在も継続しているかは文脈によります。
EN) John has visited his grandparents numerous times.(ジョンは頻繁に祖父母を訪ねている。)
ESP) John ha visitado a sus abuelos muchas veces.
(動詞の活用—ha: “haber(=to have)” の3人称・単数・現在, visitado: “vistar(=to visit)”の過去分詞)
この場合、今も頻繁に訪ねているのか、少し前まで頻繁に訪ねていたが今は疎遠になったかは文脈から判断します。
まとめ
現在完了をまとめると
- 英語の現在完了と同じ使い方をする
- 構造も英語の現在完了と一緒で、 haber(=to have)の活用 + 過去分詞で表される
- 過去分詞は完了形で使う場合は語尾は常に”-o”になり性別や単数/複数によって変化しない
- “haber”と過去分詞の間には何も入れない
となります。これを覚えれば現在完了の文章はほぼクリアできます。
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