スペイン語は英語をベースにすると理解しやすいというコンセプトで進めていますが、時制となると一対一対応しない場合があります。
線過去もその一つで、英語でイコールの時制表現がなく普通の過去形や過去進行形で表されます。
まずはタイムラインで点過去・線過去のアウトラインを把握しましょう。
このページはSpanish411.netという英語圏でのスペイン語学習サイトを参考にし、解説しています。英語ですがわかりやすく解説していますので参考にしてみて下さい。
参照: Spanish411.net
タイムラインで把握する点過去と線過去
ここではタイムラインで点過去と線過去のアウトラインを表わし、感覚的に把握したいと思います。
点過去
点過去は「行動の時間がピンポイント(まさに点)で特定される過去」あるいは「期間が限定される過去」のことです。
例) On Saturday his friend went to the baseball game. (土曜に彼の友達は野球の試合に行った。)
この行動(=went to game)と時間(=Saturday)をタイムライン上に記すと下図のようになります。
この場合、行動(=went to game)の時間が”Saturday”と特定されますのでスペイン語にするときは点過去を使います。
EN(英語): On Saturday his friend went to the baseball game.
ESP(スペイン語): El sábado su amigo fue al partido de béisbol.
(動詞の活用—fue: “ir(=to go)” の3人称・点過去)
線過去
点過去が「限定される期間」の出来事を示すのに対し、線過去は「限定されない期間」の出来事を示します。その行動・状態がいつからいつまでのことなのかがぼんやりした場合に使います。
例) His friend was a good baseball player.(彼の友達は野球がうまかった。)
ここでは野球がうまかった(=was a good player)期間が限定できません。タイムラインで示すと下図のようになります。
いつからいつまで野球がうまかったかは言及されていませんね。このように行動・状態の始まりと終わりがはっきりしない場合は線過去を使います。
EN: His friend was a good baseball player.
ESP: Su amigo era un buen jugador de béisbol.
(動詞の活用—era: “ser(=to be)” の3人称・線過去)
上記の二つの英文はどちらも単純な過去形ですがスペイン語では期間が限定されるかどうかで点過去か線過去のどちらかを使うことになります。
点過去と線過去が混在
例文1) Esperanza broke her arm when she was a girl. (エスペランサは子供の頃腕を折った。)
ここで、子供の頃(=was a girl)は期間がはっきりしませんが、腕を折った(=broke arm)のは一度だけの出来事です。
この場合、
・子供の頃(=was a girl)→線過去
・腕を折った(=broke arm)→点過去
を使います。
EN: Esperanza broke her arm when she was a girl.
ESP: Esperanza rompió su brazo cuando era niña.
(動詞の活用—rompió: “romper(=to break)”の3人称・点過去, era: “ser(=to be)” の3人称・線過去)
例文2) When Paco was a boy he lived in Oslo for a year. (パコは子供の頃オスローに1年間住んでいた。)
例文1と同様に子供の頃(=was a boy)は期間がはっきりしないので線過去になります。
オスローに住んでいた(=lived in Oslo)も一度だけの出来事とは言えませんが、「1年間」というように期間が限定されますのでこれは点過去になります。
EN: When Paco was a boy he lived in Oslo for a year.
ESP: Cuando era niño Paco vivió en Oslo durante un año.
(動詞の活用—era: “ser(=to be)” の3人称・線過去, vivió: “vivir(=to live)の3人称・点過去)
まとめ
Spanish411.netでも点過去と線過去の学習が難しいと結んでいます。
割と言語体系が近い(ざっくり同じインド・ヨーロッパ語族)英語圏の方でも難しいのであれば言わんや日本語圏の我々には難しくて当たり前です。
いろいろなスペイン語の文章に触れて、それにも揉まれながら前進しましょう。
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