上司・先輩に一目置かれる書き方のコツ「報告書はA4 一枚でまとめる」

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「報告書はA4一枚で書け」

「文字が多い。簡潔に書け」

「キーワードを目立たせろ」、

これらは私が入社3年目に某自動車メーカーへ実習に行っていた時に実習先の上司に言われ続け、叩き込まれたことです。その方からはいつも「上の人は忙しいんだから報告書をいちいち全部読む時間なんかない」と言われました。キーワードの目立たせ方も

「アンダーラインは見にくい。字を大きく太くしろ」

と言われ、当時は手書きだったので先を丸くした鉛筆で太字にするというテクニックも教わりました。

 そして報告書を書くより読むことの方が圧倒的に多くなった今、あの時の言葉が思い出されます。部下にはこれから紹介するような報告書の書き方を当然教えているのですが、人によってはなかなか定着しません。「謎解きかよ」と言ってしまいたくなります。文章は読みやすく、わかりやすくなければいけません。

報告書はA4 一枚にまとめる

 無駄な言葉が多いほど冗長的になって伝えたいことが伝わりにくくなります。「事実」にもとづいて文章を構成すればA4一枚に伝えたいことは十分載せられます。

この時にフォントサイズを小さくして詰め込んではいけません。印刷した時の読みやすさを考えると10pointくらいが妥当でしょう。

また一枚で表すことにより内容を俯瞰でき、話の展開を目で追えるというメリットもあります。

要点を明確にする

報告書の核は目的に対する『結論』です。その『結論』に至った経緯・根拠などの説明があれば報告書になります。この『結論』をロジカルに説明するためのフレームワークの一つがPREP法です。

PREP法でロジカルに説明する

PREP法については別頁でも触れていますが最初に要点つまり『結論』を示して次にそう考えた理由、その次に具体例というように展開していく手法です。

PREP法

人に何かを理解してもらいたい時に使う。要点の他に説明と例を混じえることでより理解を深めることができる。

 P:Point(要点): 要点を簡潔に伝える

 R:Reason(理由・根拠): 上の要点・結論に至った理由または根拠を説明する

 E:Example(例): 具体的な例を挙げる

 P:Point(再び要点): もう一度要点を言葉を変えて復唱し印象付ける」

上司・先輩に一目置かれる話し方のコツ「結論から話す」
日常の上司・先輩への受け答えの基本は「端的に」「結論から話す」ことです。まずは「質問されたら質問に答える」。 これは一見当たり前のようですが実は結構難しいようです。アンチクライマックス法・YWwT・PREP法等のフレームワークを駆使して論理的にわかりやすく伝えて下さい。

この時の具体例には、その結論に至る「決め手」となった事例を入れて目立たせておくとよいです。

残りのエビデンスは全て添付資料にする

具体例は代表的なものに絞られますし、データも必要最小限のものしか載せられません。では残りはどうするかというと添付資料にします。

報告書の結論が適切に、客観性をもって導かれたか、恣意的なエビデンスをピックアップしていないか等 この結論の妥当性を読み手が検証できるようにするためです。また同時に得られた情報を組織の財産とし、あとあと参考にするためにも添付して残して下さい。

自分が苦労したこと・時間を掛けたことは報告書の結論とあまり関係がなくなっていても、つい入れてしまいがちです。時には無理矢理はめこんできます。気持ちはわかりますが読み手を混乱させてしまいますので、ここは断腸の思いで捨てましょう。

書き方の例

 具体例があるとわかりやすいと思いますのでここにフォーマットのサンプルを添付します。ここでは出張報告とします。書き方は以下のようになります。

もちろん職場で定型フォーマットがある場合はそれを使って下さい。また議事録等で決定事項などの要点だけでなくやり取りまで一言一句細かく記録するよう求められた場合は書記に徹して下さい。

①標題

 一目で内容がわかるような文言を使い簡潔に書きます。副題を付けても結構です。

②管理No.〜⑤場所

 これらは特に説明は不要だと思いますので省略します。

⑥出席

 出席者が多い場合はキーパーソンのみをピックアップし、あとは一覧表にして別紙とします。

⑦目的

 出張の場合、「よくわからないけど、代わりに行けと言われて行ってきました」と悪びれずに言う者がたまにいます。指示した人/された人の両方に問題があると思いますがこのようなことがないように、しっかり目的を明確にして納得した上で仕事をしましょう。

また「◯◯について協議する」という書き方もよく目にしますが「協議」はただの行為です。目的は「協議」の結果から得る成果であるはずなのでそれを目的として書くようにします。例えばなにかを決定するための協議であれば「△△を決定する」が目的になります。

さて次からが報告書の骨子となりますのでPREP法使ってロジカルに表現します。

⑧結論←Point(要点)

 これは目的に対する結論です。目的からそれていないことを確認しましょう。

⑨結果←Reason(結論に至った理由)・Example(その具体例)

 結果の欄には上記の結論に至った理由とその具体例を記すとわかりやすくなります。ただし読み手に結論を納得してもらうのがこの欄の機能なので、文章力さえあればあまりこだわらなくてもよいと思います。

⑩今後の進め方←Point(再び要点)

 目的に対する結論には「だから?」という次の質問を念頭に置きましょう。ほとんどの場合、業務は持続的・継続的なものなので「次」があります。ですからこの結論を受けて次に何をやるかを示します。

ここでは今後の進め方を例に挙げましたがこれもケース・バイ・ケースですので工夫して下さい。

⑪所見

 上記の⑩までは「自分」を消して客観的に文章をまとめてきました。これで「表面的な」「事実にもとづいた」進捗・結果がわかります。しかしこの報告者が気付いたこと・感じたことにも重要な情報が隠れています。ですので個人としての「所見」も記載しておきましょう。ここで自分の主観を出して披露して下さい。

この所見で上司はしばしば部下の洞察力を測ることもあるということも覚えておくとよいかもしれません。 

報告書はその日のうちに書き上げる

 報告書は迅速かつタイムリーに作成・配布するようにします。情報を少しでも早く共有して、次にやることにすぐにでも取り掛かりたいからです。A4一枚なら作成時間を大幅な短縮できます。とりあえず口頭で報告して指示をあおいで次の仕事に着手することもありますが、後回しにした報告書はそのままずるずると放置されがちです。ひどい時には報告書中の実施事項の期限を超えてから提出されるものもあり、「これ期限過ぎてるけど今どうなっている?」と追記を指示されることになります。もっとひどいのは作成せずに放っておかれること。しかし前述のように報告書に書かれるべき情報は組織の財産なのです。ですから後で、誰かが参考にしようとします。例えば出張報告ならば次に誰かが同じところに行くことになったら必ず前回の報告書を参照しますので作成していなかったらばれます。

そうならないように管理監督者も目を光らせていると思いますが、上司や先輩にフォローされなくてもよいようにできるだけ「その日のうちに」書き上げて、提出してから帰宅するようにしましょう。

クリミナルマインドというアメリカのFBI犯罪捜査TVドラマが私は大好きでhuluでやっているシーズン13まで全て観ました。このドラマの本筋からは離れますが私が感心したのは事件が終わってから報告書を書くまで帰宅しない姿勢です。アメリカは文書管理が徹底しているという事情もあるでしょうが我々も見習わなくてはいけません。

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