メムノンの巨像からバスに揺られて王家の谷に向かいます。
王家の谷
王家の谷
古代エジプトのファラオの墓というとピラミッドのイメージが強いが、王墓としてピラミッドが作られていたのは主に古王国時代という一部の時代だけ。ピラミッドは建造に多大な労力がかかるのと、あまりにも目立ちすぎその多くが盗掘に遭っていたことから、墓のありかを隠すためにトトメス1世によってこの谷に岩窟墓が建設された。
古代エジプトの新王朝時代の王たちの墓が集中していることからこの名があり、24の王墓を含む64の墓が発見されている。
入場料は200エジプトポンドでした。
電気トロッコで入り口から王家の谷に向かいます。
いよいよ王家の谷に到着です。
今回中に入った王墓は上記の4箇所です。
KV62: ツタンカーメン
日本に帰ってから、ツタンカーメンの墓はもともと母ネフェルティティの墓で実は隠し部屋があるかもしれないとか、ツタンカーメンの墓はアイ王の墓と交換されたとかの話をテレビで知りました。
ツタンカーメンの王墓はツタンカーメンのためのものではなかった!?
(テレビ東京「たけしの新・世界の七不思議」(2020/12/28放送)より)
ツタンカーメンの王墓の三つのミステリー
1.小さすぎる(全長30m)
ファラオが即位すると同時に墓を作り始める。ツタンカーメンは在位10年だが、同様の在位期間のトトメス4世の墓が全長100mあるのに比べると小さい。
2.右曲がりの構造
第18王朝のファラオの墓は左に曲がるのが一般的。ただし女性の墓は右曲がり。
3.墓には続きがある
2015年のレーダ調査でツタンカーメンの埋葬室の奥に空洞があると言われた。2018年のイタリアチームの調査で否定されたが、2020年 地表からのレーダ調査でツタンカーメンの王墓近くに空洞が見つかりツタンカーメンの王墓とつながっている可能性が出てきた。
そして空洞を合わせて考えるとツタンカーメンの王墓はもともとツタンカーメンの義母ネフェルティティの可能性がある。ネフェルティティは在位3年なのでツタンカーメンの王墓の小ささにも合うし、右曲がりであることの説明にもなる。
仮説:
ツタンカーメンは義母ネフェルティティの墓に埋葬され、もともとツタンカーメンのために造られた墓はKV57 ホルエムヘブの墓となっている。その経緯は、ツタンカーメンの死後に王位を継承した大神官アイが自分が高齢で時間がないためにツタンカーメンの王墓を奪ったというもの。しかしその次のファラオ ホルエムヘブがこの墓をさらに奪い、ツタンカーメンの父アクエンアテン,義母ネフェルティティ,ツタンカーメンそしてアイの名を王名表から削除した。王名表から削除されたゆえにツタンカーメンの墓は盗掘されることもなかった。
こんな予備知識があったら見る目も違ったと思います。2020年の情報なので2019年のツアー時には知るよしもありませんでしたが、知っていたらツタンカーメンの埋葬室の壁に継ぎ目がないか凝視していたでしょうし、一般公開されていないにせよホルエムヘブの墓の入り口までは見に行ったと思います。それは次の機会に。
ネフェルティティ王妃
遺体がまだ発見されていない。3000年前に作られ、今も完璧に残っている彫像によって広く知られる。
上の写真の左から3番目の女性の右側に継ぎ目があるとTVで言っていました。目をこらしても見えないとは思いますが、それでもじっくり見たかったと思います。
この12匹のヒヒを描いた壁の向こうにも空洞があるかもしれません。ここもしっかり見ておくんでした。
KV2: ラムセス4世
壁や天井一面に描かれたレリーフは今も色鮮やかです。
KV8: メルエンプタハ
KV6: ラムセス9世
再び電気トロッコに乗り王家の谷を後にしました。
– Break Time – 「アラバスターのお土産ショップ」
次の目的地に向かう途中、アラバスター(雪花石膏:大理石の一種)の工芸品のお土産ショップに立ち寄りました。
手前右のアヌビス神をかたどったアラバスターの壺を購入しました。ちなみに、日本円で2万円ちょっとだったと思います。
というのも今回のツアー中にちょうど我が家の愛犬の1年目の命日を迎えたこともあり、アヌビス神は冥界の神ということもあったので骨壷にしようと思った次第です。顔も少し似ているし。
今、我が家の玄関を守ってくれています。
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